Schrödinger デジタル創薬セミナー 15:
Water matters: Enhancing early drug discovery with insights from water energetics
水のエネルギー特性の理解は、新たな治療薬設計の戦略を提供します。タンパク質結合部位の水分子は分子認識やリガンド結合に影響を与える重要な要素であり、ヒット発見やリード最適化に活用することで、結合結果の予測精度を向上させ、新たな最適化機会を発見できます。
本ウェビナーでは、結合ポケット内の水エネルギーを活用する技術「WaterMap」と「Glide WS」を紹介します。WaterMapは不安定な水和サイトを特定し、より優れたヒットやリードを見つけ出し、Glide WSはその解析を活用して脱溶媒和の影響を評価し、正確なドッキングを実現します。これらの技術を組み合わせることで、仮想スクリーニングの初期段階でのリード選別精度が向上します。
実際、シュレーディンガー社のSARS-CoV-2プロジェクトでは、これらの技術を活用して、強力な酵素・細胞活性を持つリード化合物の迅速な発見を実現しました。
Webinar Highlights
- タンパク質結合部位における水分子の役割とリガンドドッキング結果への影響の概要
- 明示的な水のエネルギー特性をモデル化することで、新しい結合様式を解明し、誤陽性を減らす方法
- 水和パターンを活用して選択性や薬剤様特性を向上させるリード最適化の洞察
- シュレーディンガー社の薬剤発見プロジェクトにおける成功事例
Our Speakers
Abba Leffler
Senior Principal Scientist, Therapeutics Group, Schrödinger
プリンストン大学で化学学士号を取得し、ニューヨーク大学メディカルスクールで神経科学の博士号を取得しました。 彼の研究成果はScience、The Journal of Neuroscience、JCIM、PNASなどに掲載されており、第 I 相臨床試験中の化合物を含む、複数の特許を取得しています。 現在は、主任科学者として、低分子創薬プロジェクトをリードしています。
Gary Zhang
Product Manager, Docking Technologies, Schrödinger
デューク大学で生物システムにおける電荷移動経路の設計に関する研究で博士号を取得し、その後、スクリプス研究所でペプチドドッキング性能の向上に取り組むポスドク研修を行いました。現在は、ドッキング技術のプロダクトマネージャーとして、GlideやWScoreを含むSchrödingerのドッキングツールの性能向上と適用範囲の拡大を目指すチームを率いています。