Schrödinger デジタル創薬セミナー 17:
Schrödinger’s approach to physics-based antibody analysis and design
シュレーディンガーの創薬プラットフォームは、物理学の第一原理に基づいた計算化学技術を駆使することで、タンパク質立体構造情報に基づく高度な薬物設計を可能とし、そのソフトウェアは、世界中の主要製薬企業で活用されています。
本セミナーでは、シュレーディンガーのBiologics Modeling Suite: BioLumimateを用いた一般的な抗体の3Dモデリング技術に加えて、タンパク・タンパク・ドッキングを用いた抗原抗体複合体構造の予測や、自由エネルギー摂動法(FEP)によるアフィニティ・安定性予測などについて解説します。また、単独では特定の安定コンフォメーションを持たないDisorderedエピトープを有する抗原について、MDシミュレーションとOrthogonalな実験データを活用した、抗原・抗体複合体構造推定の可能性について議論します。さらに、計算化学的に予測された抗体の3D構造から記述子を発生し、物理的な原理からは予測が困難なDevelopabilityに関連したパラメータの予測モデルを自動的に作成するツール、λダイナミクスを用いたCpH-MD法を用いたアミノ酸残基の局所的pKa予測をpH依存的な抗原への結合やADCの開発を目的としたSiteselective Functionalizationに応用する可能性など、最近の先進的な試みについてもご紹介します。
Our Speaker
市原 収
DPhil, Senior Principal Scientist
英国オックスフォード大学大学院博士課程修了。 1995年より、英独仏に主要研究拠点をもつ創薬支援企業Evotecにてプロセス化学グループ統括、合成基礎研究グループ・グループリーダー、CADDグループ主任研究員を経て2012年に帰国。現在はシュレーディンガー㈱にて、主に製薬企業からの創薬委託研究などを含む広義のテクニカル・サポート業務を担当。東京大学薬学部非常勤講師。